Kazuyuki Matsutani
教務部 部長補佐 個個塾+(プラス)山科教室 教室長松谷和幸
かつての自分がそうだったように
子どもたちの居場所を作ってあげたくて
もともと、個個塾の学生講師だった私。さらに過去をたどれば、元生徒でもありました。そのころいつも感じていたのは「ここが居場所だ!」ということ。友人関係に悩んだり、親とケンカをしたり……学校や家では誰にも相談できなかったことも、塾に来れば何でも話せたのをよく覚えています。
入塾したのは中3のときで、高校受験を見据えてのことでしたが、高校入学後も当然のように通い続けたのも、個個塾が私の生活の一部になっていたからです。大学に入学後も、それは変わりませんでした。学生講師として働くことは、私の中でごく自然な流れでしたし、今度は私が講師として、子どもたちに「居場所」を作ってあげられたらな……というのが始まりでした。
講師として、教室長として
見える景色の違いは、責任の重さの違い
社員として入社したきっかけは、就活も始まろうかという大学3年のとき。「うちで働いてみないか?」と声をかけてもらったんです。それはもう嬉しかったですよ。いま共に働いている先輩や上司は、私にとって「先生」でもあり、「恩人」でもあり「仲間」でもあり、もっと言えば「私が個個塾にいる理由」の原点でもあったわけですから。
ところが、いざ入社して教室長という立場で働き始めると、戸惑いの連続。講師だった時と見える景色がぜんぜん違うのです。後になって気付くのですが、その「見える景色」の違いが「責任の重さ」の違いだったと理解しています。ここがこの仕事の苦しさでもあり、同時に最大の楽しさでもあるといえるでしょう。
自分という人間そのものが、 教室のカラーとして表れる。 それが怖くもあり、楽しくもあり。
約130名の生徒すべてが自分の担当
そこに責任を負う覚悟はあるか
講師時代も、担当した生徒が志望校合格を果たしたり、楽しく塾に来てくれている姿を見たりするのはとてもやりがいを感じていましたし、使命感を持って取り組んでいたつもりです。しかし、教室長となって「責任の重さ」の違いとして思い知らされたのは、「生徒は全員自分の担当」であること。講師時代は、目の前の生徒のことだけを考えていれば良いという感覚でしたが、教室長はそうはいきません。現在、私が教室長を務める『個個塾+(プラス)』山科教室には、約130名の生徒がいます。成績の上げ方も、かつて私が感じた「居場所」としての在り方も、130の形があるわけですよね?教室を統括する立場として、その130名すべてに対して責任を負う覚悟が必要なのが教室長だということです。
教室は自分という人間そのもの
自分の在り方が、教室の在り方に直結する
すべてに責任を負う覚悟とは、教室への評価=自分自身への評価である、と自覚すること。良くも悪くも教室は自分を映す鏡であり、自分という人間そのものなんです。ですから、教室へのささいなクレームでもあろうものなら、まるで自分という人格が否定されたかのように凹むんですよね(笑)。
逆に、それだけ教室運営に裁量が与えられているということでもあり、自分の働き方ひとつで、教室の雰囲気やカラーはガラッと変わります。そのダイナミズムは、講師をしているだけでは決して味わえなかったことでしょう。
いま私が理想形としてイメージしているのは、みんなが癒されるカフェのような教室。物静かな子にも居場所のある、落ち着いた雰囲気の教室にしたいですね。
自分がやってしまいたい気持ちを抑えて
いかに講師を“立てる”かがポイント
もうひとつ、教室長の仕事として面白いのは、自分だけで教室を回せないところ。直接的に生徒に指導するのは講師たちですから、いかに彼らに活躍の場を与えるかが大事。本当は私自身がやってしまえば確実な仕事であっても、信じて任せる勇気が必要です。いまでも正直「ああ、自分で生徒に教えたい!」という気持ちになることもあるのですが、そこはグッと我慢ですね。
特に意識しているのは、いかに講師を“立てる”か。私自身が生徒に密着しすぎず、講師と生徒の結びつきを支えることに徹するのがポイントです。あとは、講師が何に悩んでいるのか、そこに寄り添うことですね。生徒に対しては、勉強そのものよりも、将来や夢・目標についてアドバイスすることが多くなりました。
自立学習部門を事業の柱に育てたい
その中枢に、自分の存在を示していく
山科教室は、通常の対話式(1対2)の個別指導とは少し異なる「自立式」を取り入れた教室であり、私はその部門リーダーも務めています。個個塾の基幹事業は対話式個別指導ですから、自立学習は、ひとつの部署としては傍流という見方もできるでしょう。しかし私はリーダーとして、もっと自立学習部門の存在感を示したい。収益的にも自社の事業の柱として育てたいのです。会社が拡大していく過程の中で、自立学習部門も大きく躍進させ、その中枢クルーとなっていること。それが現在の目標です。
そう考えると、この仕事で大切なのは、「生徒たちの力になりたい!」という気持ちを原点にしつつ、自らもひとりの社会人として成長するビジョンを持つことなんだろうなと思います。そこに共感してくれる人と一緒に働きたいですね。